行人坂の思ひ出


 行人坂を下ったところに、雅叙園があります。
キンキラキンの「ここはマンダリンホテル?」という佇まいですが、
昔はいかにも大名の屋敷、という落ち着いた感じの所でした。
 広い庭園は、毎年夏になるとビアガーデンになり、なぜかテニスウエアを
着たねーちゃんが、ビールや食べ物を持ってきてくれてました。
 「千と千尋」のモデルになった、百段階段のある宴会場で食べたフルーツポンチ
の味を、なぜか鮮明に記憶しています。

 雅叙園を出て左に折れるとすぐに目黒川があります。
 かつては、ほんとに汚い川で、都内でも2番目に汚れた川、と言われていたのですが、
ヘドロを取り除いて、どっかの川から清流を無理矢理引き込むという工事をした
おかげで、魚の姿も見られるようになりました。
 澱んだ川だったころは、太鼓橋の向こう側にあるカカオ工場の臭いと、川の臭いが
合体して、かなりキテました。いつも息を止めて、ダッシュで走り抜けていました。

 カカオ工場の向かいに田村電機の本社があります。
 屋上に巨大な赤電話があって、ランドマークになっていたのですが、いつの間にか
消えてしまいました。
 小学校の教室から、巨大赤電話がくるくる回っているのと、その手前のお城のような
ホテルがよく見えました。ほーっと眺めていたもんです。
(授業を聞いていなかった、ということですね)