不動前駅の思ひ出


 不動前駅は以前書いたように、、かつては上り専用、下り専用の
2つのホームに分かれていました。
 下りホームの出口脇に売店があり、その隣には夜になると
一杯飲み屋の屋台が店を開いていました。
 雨が降ると傘を持って、この駅まで父親を迎えにいきましたが、
繁盛している屋台を見ると、入ってみたくなります。
 しかし「触れてはいけない大人の世界」のような気もしていて、
父に「入りたい」とは言えませんでした。
 その代わり、攻玉社へ向かう道の入り口にある喫茶店へ連れて
いってもらい、みつ豆を食べさせてもらっていました。
 普段、厳格で「恐い」イメージの父が、お迎えに言ったときは
大甘でした。
 喫茶店に行かないときは、売店でチョコレートなり、なにがしかは
買ってくれました。これが目当てで、雨が降ってなくてもよく迎えに
行ったものです。
 その喫茶店はいまでも営業しています。
看板を見ると、顔をほころばせながら一緒にみつ豆を食べていた
父の姿を思い出します。